2009.11.7(土)12時開演 レ・ミゼラブル
消えちゃったと思っていたら、残っていました~。
<出演者> *敬称略にて失礼します。
別所哲也/岡幸二郎/笹本玲奈/菊地美香/泉見洋平/安崎求/田中利花/原田優一
<男性アンサンブル>
伊藤俊彦/清水裕明/横田裕市/近藤大介/石井一彰/中井智彦/櫻井太郎/藤田光之/上野聖太/赤座浩彦/五大輝一
<女性アンサンブル>
わたりあずさ/折井理子/藤咲みどり/歌納有里/児玉奈々子/岡村さやか/里奈/亜久里夏代
泉見マリウスと笹本エポニーヌが観たくて当日券に並んでしまいました。^^;
そんなに早く行けなかったのですが、ヴァンパイアと違い並んでいる方が少なくてホッ。(苦笑)
さて、別所バルジャンは芝居が細かい、と何度か書きましたが、どれだけ細かいかと言うことを(笑)書いてみようと思います。正しくは”細かい”わけではなく、”解釈の違い”だと思われます。
前後してしまうようですが、まず気になって仕方がなかったポイントがあるので書かせて頂きます。
二幕、マリウスから、コゼットに手紙を届けるよう頼まれたエポニーヌはバルジャンの家に忍び込み、バルジャンに見付かってしまいます。
そこで仕方なくバルジャンに手紙を託し、門の外に出されることになるのですが、ここ!!
『気を付けて行くのだ。今夜は危険だ。街は~。』
危険だ、と言いながらエポニーヌを外に押し出し門の鍵を「ガチャン!!」と音を立てて締める別所バルジャンに対して、『コゼット以外にはなんて冷たいんだ!!』と思ったのがきっかけで、別所バルジャンの見せる他人に対する温度差に注目するようになりました。
一幕、仮釈放を許されるバルジャン。
橋本バルジャンは見るからに反抗的な態度で、下手をすると「仮釈放を取り消されてしまうのでは?」と思うほどジャベールに突っかかりますが、別所バルジャンは姑息さが見え隠れする程度に抑えた反抗的態度を取ります。
教会で燭台を盗んだことを許され、司教様に諭される時も、疑いの眼差しは残したままに見えます。
工場シーンで、助けを求めてくるファンティーヌを冷たくあしらう姿からも、どこか冷たい部分が見え隠れする別所バルジャン。
彼の気持ちが大きく変わったのは、娼婦に堕ちたファンティーヌになじられた後のように感じられます。
彼なりに他人の為に生きてきたと自負していた別所バルジャン。しかし、自分の取った行動で一人の女性とその子供を苦しめる事になった事実を目の前に突きつけられてしまうわけです。
馬車の下敷きになっていた市民を救い、自分の身代わりに裁かれようとしている男の為に真実を語る別所バルジャン。この時の気持ちや行動に嘘は無かったと思いますが、(助け出した男から『あぁ市長、あなたは聖者だ。』と感謝された時の複雑な表情もポイント。「違う。」と言いたげに首を横に振ります。)ファンティーヌからコゼットを託され、彼女の死を看取った時、彼の中にまた新たな感情が生まれたのだと思います。
そして、バルジャンを執拗に追ってくるジャベールに対する怒りがこの時点ではバルジャンの中に存在しているように感じます。
ファンティーヌを看取るシーンで、『目覚めたらあの子に会いに行くわ。』と言うファンティーヌの言葉に頷くバルジャンがいいです。^^
テナルディエ夫婦の元からコゼットを救い出したバルジャン。
でも、本当に救われたのは彼の方で、コゼットとの生活がバルジャンの心を大きく変化させて行ったのだと思います。
ジャベールの影に怯えつつ、コゼットの為に、自分の全てを捧げながら生きて行くバルジャン。
バルジャンはコゼットとの生活に、生きて行く意味を見出している気がします。
二幕。
マリウスからコゼットに宛てた手紙を読んでしまうバルジャン。
この時、別所バルジャンは『気に入らない』って顔をします。
手紙を一瞬くしゃくしゃにするところにも、その怒りに似た感情が表現されているように思いました。
娘が大事で大好きで仕方がないお父さんって感じで、少し微笑ましいくらいです。
考えてみると、一番正直で感情がストレートなバルジャンかもしれませんね。
『マリウスだと?本当にコゼットを愛していると言うのか?一体どんな男か確かめてやろうじゃないか!!』
別所バルジャンはもしかしたらこんな風に思ったかもしれませんね。
心のどこかに、老い先の短い自分を思い、コゼットを本当に託しても良い男かどうか確かめに砦に出向いて行ったようにも考えられます。
砦でマリウスがコゼットを思う気持ちを確認したバルジャンは、この男にコゼットを託すことを心に決めます。
自分の命を犠牲にしても、彼をコゼットの元に帰すのだと。
『彼を帰して』は、バルジャンの祈りと決意の気持ちが表現されているように感じました。
一気にエンディングへ飛びます。(苦笑)
愛するコゼットの幸せな結婚式を思い描きながら自分の命の灯火が消えようとしていることを感じ取るバルジャン。
もう二度と会えないと思っていたコゼットが美しい花嫁姿で彼の目の前に現れます。
マリウスの告白に、隠してきた真実をコゼットに伝えるバルジャン。
赦され、愛するコゼットに看取られながら召されるバルジャンですが、別所バルジャンはコゼットだけを見つめたまま息をひきとります。
他の3バルジャンのように、マリウスに『コゼットを頼むよ。』って顔をしないんです。
これに気付いた時、『あぁ、別所バルジャンは最後までマリウスが気に入らないんだな。』と思いました。でも彼に託すしかない。マリウスの顔を見ないのは父親としての最後の抵抗だった気がします。(苦笑)
でもね、『エピローグ』最後の最後に、マリウスとコゼットに両手を差し延べ、暖かく見守りながら『明日は~』と歌い上げるバルジャンの優しい眼差しは愛情に溢れたものでした。
はぁ~、自分が思う別所バルジャンのほぼ全てを書いてしまいました。
これ以上長い記事は読むのも大変ですが、この日の泉見マリウスのカフェソングからエピローグへの流れは最高に良かったので書いてしまいます。
カフェソングで仲間と共に戦った日々を思い、微笑みすら浮かべるマリウス。
しかし、仲間はみんな死んでしまった。
自分だけがこうして生き残り、コゼットと生きていこうとしている。
自分だけが幸せになって良いのか?罪悪感に苛まれるマリウス。
バルジャンにコゼットを託され、全てを背負いながらコゼットを幸せにすることを誓うマリウス。
結婚式で真実を知り、バルジャンの元へ駆け付けるマリウスとコゼット。
このシーンはいろいろな意味で救いになっていると思うのです。
マリウスに全てを押し付け去ってしまうバルジャンってちょっとずるいなって思っていました。
秘密を守り通すことって並大抵のことではないです。しかも、他人の秘密を押し付けられたマリウスの重圧を考えると、愛するコゼットの為とはいえ、「バルジャン酷い。」と思えなくもなかったので、バルジャンの『私は父じゃない。』と言う告白と、多分、手紙に綴られている真実によって、ファンティーヌも、マリウスも、勿論バルジャン、コゼットも本当の意味で救われたのではないか、そんな気がしました。
バルジャンを看取り、手紙を読むコゼット。
彼女を見守るマリウスの耳に、砦で戦った仲間たちの声が聞こえてきます。
一瞬、ハッとするものの、「いやいや気のせいだ。」と首を振るマリウス。
コゼットに促され、手紙に目を落とすマリウス。
真実に触れた彼の耳に、今度は仲間たちの声がハッキリ届き、微笑むマリウス。
その『赦された』表情に、これからマリウスとコゼットは幸せに生きていくのだと、幸せになることが赦されたのだと思わされました。
『エピローグ』は涙する方が多いのかも知れませんが、笑顔のマリウスとコゼットを見ると『あぁ、良かった~。』と一緒に微笑んでしまい、笑顔のエンディングになるんですよねぇ~。(笑)
ま、作品の見方は人それぞれなので、こんな解釈もありますよってことで、軽く受け流して頂けると助かります。はい。
さて、あと何本か忘れないうちにレポアップしますよ~。多分。
